LEGOの基本はブロック同士をつなぐことです。ただ、特許を追うと、その「つなぐ」という仕組みの中へ光、モーター、カメラ、コンピューター、ARまで入り込んでいます。ブロックは形を作る部品であると同時に、入力装置や表示装置やロボットの部品にもなります。
キャラクター自身がマーカーを読み取り、フィギュアは押されたことを検知し、ブロックは9個のLEDを個別に光らせます。カメラやLiDARで周囲を見るセンサーや、現実の組み立てを画面側の世界へ持ち込む仕組みもあり、遊びの機能が広がっています。
各特許と公開製品の一対一の対応は確認できていません。
キャラクター自身が足元のマーカーを読んで反応する
どんな発明?
この特許は、電子玩具が周囲のマーカーを検出し、検出内容に応じて音や表示などの反応を変える遊びを扱います。物理的なコースやブロックが、そのまま電子キャラクターへの命令になります。
玩具そのものがセンサーを持って世界を読む点が特徴です。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2019-09-30
- PUBLISHED
- 2022-11-10
- PUBLICATION
- US20220355218A1
- INVENTORS
- Takashi Tezuka / Hiroshi Momose / Emi Makiuchi / Jonathan B. Bennink / Jonathan Trier / Benjamin Ma
フィギュアの頭を押すと、中の細いピンがスイッチを押す
どんな発明?
小さなフィギュアの中へ電子基板を入れると、外から押せるボタンをどう配置するかが問題になります。この特許では外装のボタンと基板上のスイッチの間を細いピンでつなぎます。
見た目はキャラクターのままですが、内部は入力装置です。押すという非常に単純な操作を、小さな玩具の内部へ収めています。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2020-03-10
- PUBLISHED
- 2023-03-09
- PUBLICATION
- US20230075484A1
- INVENTORS
- René Christensen Wellejus / Troels Nobert / Henning Kirk
9個のLEDが1ブロックの中でそれぞれ別の色に光る
どんな発明?
ブロックの正面に3×3、合計9個のLEDを並べ、各LEDの色と明るさを別々に制御します。単なるランプではなく小さなドットマトリクス表示器に近い部品です。
他のブロックやハブからデータを受け取り、表示を高速に更新することまで設計されています。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2021-03-25
- PUBLISHED
- 2024-07-25
- PUBLICATION
- US20240246005A1
- INVENTORS
- Oliver Wallington / Per Christoffersen
モーターまで普通のブロックのようにつなぎ替える
どんな発明?
このモーターユニットは、ケース自体に他の構成部品と接続するための穴を持ち、回転出力にも軸や部品をつなげられます。モーターを外付けするのではなく組み立てシステムの一部として扱います。
内部にはギアと回転位置を検出する仕組みも入り、動かすだけでなく位置を知ることもできます。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2021-03-25
- PUBLISHED
- 2024-05-23
- PUBLICATION
- US20240171041A1
- INVENTORS
- Joachim Panduro Lysemose / Jørn Skovløber Hansen
ブロックがカメラやLiDARで周囲の物や人を見分ける
どんな発明?
モジュールにはカメラやLiDARなどの光学センサーを搭載でき、視野の中に認識対象があるかを判定します。FIG. 4では、ブロック状の対象、表示面、人、手といった異なる対象を検出する利用例が並びます。
特許には、認識対象の方向に応じて周囲のインジケーターを光らせる構成も記載されており、見る機能とフィードバックを一つのモジュールへまとめています。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2021-11-16
- PUBLISHED
- 2025-01-02
- PUBLICATION
- US20250001320A1
- INVENTORS
- Jens Balle Rosbjerg / Tobias Thyrrestrup / René Christensen Wellejus / Louis Elwood-Leach / Grischa Simon Guzinski
ロボットの頭脳まで接続ポートと光る表示を持つ一つのブロックになる
どんな発明?
この特許は、ロボットの中央制御装置を一つの構成部品として組み込む仕組みです。複数のI/Oポートへセンサーやアクチュエーターをつなぎ、内部プロセッサーが動作を制御します。
どのポートに何がつながっているかなど、状態を発光パターンで見せる構成も含まれます。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2018-01-25
- PUBLISHED
- 2020-12-03
- PUBLICATION
- US20200376402A1
- INVENTORS
- René Christensen Wellejus / Bjarke Holt Pedersen / Kevin Nørby Andersen / Ralph Hempel / Pelle Normann Brix
センサー・論理・機能のブロックの並びでプログラムを作る
どんな発明?
この特許は、センサー、論理、機能という役割の異なるブロックを物理的につなぐ構成を示します。FIGS. 10–13では、入力を受けるSensor brickからLogic brickを経てFunction brickへ信号が流れる組み合わせが並びます。
画面上でコードを書くのではなく『検知する』『判断する』『動かす』を担当する部品そのものを並べて論理を作る発想です。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2004-10-20
- PUBLISHED
- 2008-09-11
- PUBLICATION
- US20080220690A1
- INVENTORS
- Gaute Munch
欲しい形のブロックを自分で設計してそのまま作る
どんな発明?
既存の接続規格を守りながら、ユーザーが独自形状の部品を設計し、それを実際に製造できるようにする仕組みです。自由な形でも既存ブロックへ接続できることが重要です。
セットに入っている部品だけで遊ぶ前提から、部品そのものを作る側へ利用者を近づけます。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2011-07-05
- PUBLISHED
- 2014-08-28
- PUBLICATION
- US20140244018A1
- INVENTORS
- Thomas Gjørup / Erik Bach
頭・胴体・脚の組み合わせがそのままARのキャラクターIDになる
どんな発明?
この特許では、ブロックや人型パーツの見た目をAR用のマーカーとして使います。頭、胴体、脚の組み合わせをカメラが識別すれば、物理的に組み替えた結果を画面側のキャラクターへ反映できます。
専用QRコードを貼るのではなく玩具そのものの色や形や模様を識別情報として使う点が特徴です。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2011-05-23
- PUBLISHED
- 2014-12-25
- PUBLICATION
- US20140378023A1
- INVENTORS
- Siddharth Muthyala / Harm Jan Van Beek / Nicolas David Alain Guyon / Frantz Lasorne / Mikkel Holm Jensen
一人は現実のLEGOを見る。もう一人はそのLEGOから作られた仮想世界を見る
どんな発明?
一方のプレイヤーはタブレットなどで現実のLEGOを撮影し、物理的に部品や状態を変えます。もう一方のプレイヤーはその情報から生成された別視点の仮想世界でゲームをします。
同じゲームなのに、二人が見ている世界も操作方法も違います。物理玩具を触る人が仮想世界側の条件を変えることができます。
- ASSIGNEE
- Lego AS
- PRIORITY
- 2019-02-14
- PUBLISHED
- 2020-08-20
- PUBLICATION
- US20200265646A1
- INVENTORS
- Anders Antoft Schou
AFTER THE FIGURES
ブロックの「役割」を組み替える
昔からのLEGOは同じ接続規格を持つ部品を自由に組み替えられることが強みでした。電子化が進んでも、その発想は変わっていません。ブロックの未来は形ではなく「役割」を組み替える方向へ進んでいます。光るブロック、モーター、センサー、ロボット制御ユニットまで、機能そのものを一つの部品として差し替えられるようにしています。
さらに面白いのは、物理世界の外まで接続先が伸びていることです。マーカー付きのブロックをカメラが読み、組み合わせに応じてARの姿が変わり、現実の模型を見ている人と仮想世界を見ている人が同じゲームに参加する。接続されるのはブロック同士だけではありません。
10件に描かれているのは、光らせる、動かす、見る、判断する、画面へ持ち込むといった機能です。ブロックという共通規格の上で、遊びの役割そのものを組み替えようとしています。
SOURCES
一次資料
- US20220355218A1 — Interactive toy
- US20230075484A1 — Toy figurine with a button system
- US20240246005A1 — Light matrix building block for a modular toy or educational construction set
- US20240171041A1 — Modular construction system motor unit
- US20250001320A1 — Sensor module for a modular toy construction set
- US20200376402A1 — Toy construction system with robotics control unit
- US20080220690A1 — Toy building system with function bricks
- US20140244018A1 — Method and system for designing and producing a user-defined toy construction element
- US20140378023A1 — Toy construction system for augmented reality
- US20200265646A1 — Toy system for asymmetric multiplayer game play
