車輪の外周に、靴がずらりと並んでいます。ハブが回るたびに次の一足が地面へ着く。自転車の見慣れた輪郭を崩す入口は、こんな接地の仕方にもあります。
ペダルを回す身体の動き、走る場所、持ち帰るときの形。それぞれを変えると、自転車はローイング車両にも、雪上の履帯車にもなります。図の線を追うと、どの部品が何を引き受けたのかが見えてきます。
タイヤの代わりに靴を順番に着地させる
どんな発明?
車輪の外周をよく見ると、並んでいるのは靴です。中心から伸びる脚の先に足首と足型の部材を取り付け、ハブが回ると一足ずつ地面へ着くようにしています。
足首にはばねを使い、接地の前後で足の向きを変える構造が記されています。公報は踵から爪先へ体重を移すような動きを説明し、靴を交換する案にも触れています。
- ASSIGNEE
- Individual
- PRIORITY
- 2003-12-01
- PUBLISHED
- 2005-06-02
- PUBLICATION
- US20050116539A1
- INVENTORS
- Jiazheng Lu
二重のフレームに跳ぶための力をためる
どんな発明?
内側と外側のフレームに、縮めて力をためる部材と、引き伸ばして力をためる部材を組み込みます。車輪側のピンをフックへ掛けると、走行に伴う回転がケーブルと歯車を介して両方の部材を変形させます。
フックが外れると蓄えた力を解放し、二つのフレームを反対方向へ動かして跳躍を起こす、という設計です。ばねやピストンを使う実施形態が説明されています。
- ASSIGNEE
- Individual
- PRIORITY
- 1992-07-23
- PUBLISHED
- 1994-04-12
- PUBLICATION
- US5301969A
- INVENTORS
- Wayne Bynoe
ハンドルを押しても引いても進む
どんな発明?
低い座席から脚を前へ伸ばし、操縦部をボートのオールのように押し引きします。二方向の入力を受ける歯車機構によって、押す行程と引く行程の両方を後輪の駆動へつなぐ構成です。
曲がるときは操縦部を左右へ傾けます。掲載した側面図では車輪が重なりますが、この実施例は前輪が二つ、後輪が一つの三輪構成です。
- ASSIGNEE
- Taz's Custom Welding, Inc.; Douglas R. Montez
- PRIORITY
- 2004-08-19
- PUBLISHED
- 2007-07-03
- PUBLICATION
- US7237786B2
- INVENTORS
- Douglas R. Montez
足を大きな楕円軌道に乗せる
どんな発明?
左右の足台を長いリンクに載せ、一方の端をガイド軌道に沿って往復させ、もう一方をクランクで回します。この組み合わせで足台を楕円状の軌道へ導き、その動きを駆動へ伝えます。
図では、車体後部の高い位置にあるクランクと、車体の下側へ延びるガイドが見えます。乗り手の足の通り道を決める機構が、車体の長さと輪郭を作っています。
- ASSIGNEE
- PT Motion Works Inc
- PRIORITY
- 2006-11-21
- PUBLISHED
- 2010-05-18
- PUBLICATION
- US7717446B2
- INVENTORS
- Bryan Pate / Brent Teal
浮体を下ろしてペダルでプロペラを回す
どんな発明?
前後の車輪付近に浮体を取り付け、陸上では車輪の上へ引き上げ、水上では下へ旋回させて支えにする構想です。後面図では、左右へ広がる浮体と、上へ格納した位置を示す点線を見比べられます。
水上では着脱式の駆動軸と歯車を取り付け、ペダルの回転を車体の後ろにあるプロペラへ送ります。ハンドル操作を水上での方向転換へ伝える仕組みも記されています。
- ASSIGNEE
- Individual
- PRIORITY
- 1971-06-25
- PUBLISHED
- 1974-10-29
- PUBLICATION
- US3844246A
- INVENTORS
- Benjamin Carter Locher
雪の上では、前を滑らせて後ろで蹴る
どんな発明?
前輪の代わりにスキーを置き、後ろには二つの車輪へ巻いたベルト状の履帯を付けます。ペダルとチェーンが履帯側の駆動輪を回し、ハンドルで前のスキーを向ける構成です。
明細書には、履帯の張りを保つばね式の機構もあります。接地面が長いベルトになると、その形を保ちながら回し続ける仕組みまで必要になります。
- ASSIGNEE
- The Raymond Lee Organ. Inc. (part interest)
- PRIORITY
- 1974-08-13
- PUBLISHED
- 1975-10-28
- PUBLICATION
- US3915468A
- INVENTORS
- Reynald L. Hoareau
車輪のスポークを細い束に畳む
どんな発明?
フレームを畳んでも、車輪の直径は荷物の大きさとして残ります。この発明はハブとスポークを伸縮式にし、リムも複数の部分で構成して、車輪側を小さくまとめようとします。
ハブの両端を離すとスポークを軸の方へ倒せます。そこからハブとスポークを縮め、図のような束へまとめます。掲載図には外したリム部分は描かれていません。
- ASSIGNEE
- National Tsing Hua University
- PRIORITY
- 2010-08-03
- PUBLISHED
- 2012-02-09
- PUBLICATION
- US20120032497A1
- INVENTORS
- Dongliang Daniel Sheu / Shang-Ji Lee
空いた車輪の中をフレームの収納場所にする
どんな発明?
こちらは車輪を丸いまま残します。スポークのない輪を車体から外した後、サドルの支柱を倒す動きにリンクと歯車を連動させ、前後のフレームやフォークを近づけます。
六つの図を順に追うと、大きな輪と細長いフレームが別々になり、フレームだけが縮んでいきます。明細書は折り畳んだ骨格を輪の中央の空間へ収め、専用の袋で運ぶ構成を説明しています。
- ASSIGNEE
- Individual
- PRIORITY
- 2010-03-05
- PUBLISHED
- 2012-12-20
- PUBLICATION
- US20120319377A1
- INVENTORS
- Gianluca Sada
AFTER THE FIGURES
変わるのは力を受け渡す場所
靴の車輪と雪上の履帯は、地面へ力を渡す部分を変えています。ローイングと楕円軌道は、人が力を入れる動きを変えます。水陸の案では、その力の行き先がプロペラへ移ります。
収納でも二つの道がありました。車輪の骨組みを縮めるか、丸い車輪の空間を使うか。自転車を一つの完成形として見るより、身体、伝達機構、接地部、収納空間の関係として見ると、八つの姿がつながってきます。
SOURCES
一次資料
- US20050116539A1 — Walking wheel for bicycle
- US5301969A — Bicycle with jumping capability
- US7237786B2 — Rowing bicycle
- US7717446B2 — Self-propelled vehicle propelled by an elliptical drive train
- US3844246A — Amphibious bicycle
- US3915468A — Snow bike
- US20120032497A1 — Foldable Wheel
- US20120319377A1 — Foldable bicycle with spokeless wheels
